製造工場での仕事内容、やりがい、向いている人、未経験から始めるには?
工場での主な仕事内容
工場は、車だったり電子製品だったりプラスチック製品だったりと、作っている物は違えど、どこも本質は同じです。
メーカーや取引先から、定期的に受注を受けて、必要なものを必要なだけ生産して納品する。この過程の中で人の手が必要な作業ポイントに配属となるわけです。
ほぼすべての工場で言えることは、生産には「納期」がある。ということです。納期があるという事は、必然的に、一つの生産に対する作業時間という概念が発生します。「明日までに50個作らないといけないから、今日の12時までに20個仕上げる。そのためには、午前中に一人4個作らないといけない。」極端に言うと、こんな感じで、作業者一人一人に割り振られる「作業量」みたいのものが工場では見受けられます。
端的に説明すると、工場の仕事は、納期を基準とした作業配分が、各自に割り振られます。役割分担の世界です。
工場ならではのやりがい
納期を意識して、役割分担を行うという事は、一つのモノを作り上げる一連の工程の効率が問われる”会社構造力”と、与えられた仕事を、いかに効率よく終わらせるかと言う個人レベルの”段取り力”がステータスになります。
その為、各々での業務改善が”生産数”に直結するので、「こうした方が効率的だ」という行動が、すぐに結果となって表れる世界です。単純に言うと、同じ時間内で他の人より多くの作業をこなせるようにスキルアップしていく事が、とても気持ち良いです。
個人レベルの”段取り力”が評価されると、少しずつ評価されるようになり、その工程内で”発言力”を持つようになります。そうなると、「会社としてこうやった方が、より成長できる」という視点に進化します。
その改善策が取り入れられ、部門としての生産力がぐんぐん向上していくと、さらに気持ちの良い評価を得られるようになります。
工場のマイナスポイント
向上で働く上で、私が思う覚悟のポイントは、「退屈」と戦うことです。
改善を繰り返すとはいえ、会社としては同じ製品の生産の繰り返しになります。そうなると、どうしても同じ作業を繰り返すことになります。
営業マンなどと違って、契約ノルマなどでプレッシャーを感じる必要が無い反面、工場は工場で、代わり映えの無い日常が待っています。
成果が報酬になる刺激的な営業などの世界と比べて、工場は、退屈と引換えに安定した日常が手に入ります。
自発的に仕事を作り出すような事は出来ませんが、頭を悩ませることなく毎日の仕事をこなすことが出来ます。
向上のマイナスポイントである「退屈」を、プラスに転換する方法が、「改善策」を探して、ひたすら業務改善を図る事にあると、私は考えます。
工場の仕事に活かせる経験・スキル・資格
「工場」という大きなカテゴリーに対して、活かせる経験・スキル・資格は、一概には言えません。
もしあなたが”玉掛・クレーン5t以上・フォークリフト”などの資格や実務経験があるのであれば、それを必要としている企業は必ず存在します。
しかし、あなたがそれらの経験を実務で活かしてきた前職と、似た業種からの需要が多いハズです。転職を考えているなら、あなたが退職した会社と同じような仕事内容の募集です。
それが大丈夫であれば、似た仕事の経験と言うのは、必ず活かされ、どんどん蓄積していくステータスとなります。
【需要の多い資格】
・フォークリフト技能講習
・玉掛け技能講習
・床上操作式クレーン技能講習
・溶接関係
【経験が重視されやすい経験】
・溶接関係
・検査工程
・電子部品製造工場に従事
・物流仕分け
工場の仕事に向いている人・向かない人
向上の仕事に向いている人は、「ただ、ひたすら何も考えずに、もくもくと仕事をしていたい人」だと私は思っています。
逆に外で羽ばたきたい!という想いが強い人は、工場仕事には向かないと思います。
人材サービスとして多くの方と話をしてきましたが、工場仕事への志望動機と工場仕事からの転職理由が、ほとんど同じです。
工場仕事から抜け出したい人の多くの転職理由が、「一つの場所に一日中いるのではなく、外に出て色んな人と会いたい」という理由です。
そして、工場仕事に志望する多くの理由が、「外回りは疲れました。何も考えず、振られた仕事を淡々とこなしたいです」という理由です。
工場仕事から一度抜け出した人が、再び工場に戻ってくるケースがとても多いのです。
逆に言えば、それを最初から本能的に分かっている人は、みんな揃って勤続年数が長いんです。要は、気持ちが楽なんだと思います。
ちなみに工場から抜け出して、工場に戻った内の一人が私です。そしてまた抜け出してしまいました。
工場仕事でのキャリアパス
向上で働く上で、なんだかんだ一番大事なのは勤続年数です。
どの工場でも手作業が発生している以上、経験値が多い人は、その世界での”職人”となります。
また、製造企業は”年功序列”の精神が強い為、長く頑張ってくれた人を大事にしたいという想いが、強い傾向にあります。
工場仕事で自分のキャリアパス(社会的価値の向上)を高めるなら、腰を据えて、そこで長く働く覚悟を持つことです。
その職人歴が、その社内での出世に繋がり、新入社員の教育方法にもつながります。
技術的指導だったり、会社の歴史を知る人間だったりと、会社にとってあなたは、いなくなっては困る存在となります。そうなると、よっぽどの危機的経済状況が訪れない限りは、あなたは平穏な日常を勝ち取ったことになります。
・・・長く働く事を望んでいないのであれば、その工場で役に立つ資格を取ることです。それはつまり、他の工場でも必要な資格です。
会社から必要とされる自分を望むのか、業界から必要とされる自分を望むのかの違いです。
工場業界の最近の動向
最近は、ロボット化が進み、人手不足を補うのはロボット設備の導入が定番となってきました。はっきり言うと、「これ自分じゃなくてもできるよね?」という作業は、大体ロボットの導入で、その通りとなります。
人の目、人の手、人の感性が必要だと言われてきた業務も、どんどんロボット化が進んでいます。
しかし、完全ロボット化が実現できるのは、敷地面積の大きい大企業だけだと私は考えています。地方の工場で、ロボット化をすることは物理的に不可能だと思います。
例えば、洋服を縫うロボットがあったとしても、生地や糸を倉庫から取り出し、縫い終わった洋服を梱包して出荷準備しなければいけません。
それをロボットですべて行うには、プラレールのようにロボットが動くレール(道)が必要です。そんなレールや、それを使って移動するロボットは、どれだけのスペースが必要なのでしょうか?
物体の大きさという視点でしか上の例は考えられていませんが、どの視点で考えても、製造現場の作業員を排除する構想は、私は思い浮かびません。
ネットの世界では、”ロボットに仕事を取られる仕事TOP10”と言ったような記事を見かけたりして、不安になると思いますが、私は安心していいと思います。
私たちの消費がある限り、物を作るという仕事が、無くなることはありません。
未経験で工場仕事を目指すには?
一般的な工場仕事の場合、未経験OKな会社が多いです。むしろ、それぞれの会社が、それぞれのやり方で、様々な製品を作っているので、経験者を募集する方がナンセンスです。
未経験者でも働けるようにするために、勤続年数の長いベテラン職人さんがいます。基本的に教えて育てる前提です。
上の方に書いたクレーンなどの資格も、働きながら資格取得させてもらえる企業が多いです。
人材サービスの仕事をしていて、感じたことですが、未経験者大歓迎と言っている会社の方が、家族的な温かみがあります。逆にそうではない会社は、「これをやる人がいないから、これだけすぐにやってもらえる人を募集しよう」という業務感というかドライというか、、、そういった傾向にあります。
工場仕事が気になっている状態で、未経験者歓迎の募集企業が見つかったら、まずは応募して、社長に会って、話を聞くという事をお勧めします。
これからの転職は、会社名で選ぶのではなく、社長を選ぶ時代です。
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